神戸ムスリムモスク公式HPにようこそ 当モスクは1935年に建てられた、日本最古のモスクです。

〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通2-25-14

神戸ムスリムモスクの歴史

1935年に神戸ムスリムモスクは開院しました


 神戸ムスリムモスクは、在神教徒らの寄付金により1935年に建立されました。同年8月2日に献堂式が執り行われ、当モスクで始めての金曜礼拝が行われました。その後10月11日、約600名の来賓を迎えて旧トア・ホテルにて祝賀会が執り行われました。

資料「神戸ムスリムモスク報告書 April 30th 1936.」には、当時の貴重な画像と共に、当時の代表理事等の画像も掲載されています。資料は以下のリンクにてダウンロードすることが出来ます。

・ 神戸ムスリムモスク報告書-1/6
・ 神戸ムスリムモスク報告書-2/6
・ 神戸ムスリムモスク報告書-3/6
・ 神戸ムスリムモスク報告書-4/6
・ 神戸ムスリムモスク報告書-5/6
・ 神戸ムスリムモスク報告書-6/6


祝賀会での勝田銀次郎第8代神戸市長による祝辞と、神戸ムスリム・モスク理事会による挨拶が残されていますが、全文をご紹介いたします。


THE MAYOR'S MESSAGE
HIS HONOUR, MR. G. KATSUDA, EXTENDS CONGRATULATIONS

The message of Mr. Ginjiro Katsuda, Mayor of Kobe, Follows:-
"As Mayor of Kobe, I have much pleasure in extending to the Kobe Muslim Mosque Committee my hearty congratulations on the occasion of the opening of the Mosque. It is the first Muslim Mosque built in Japan, and Kobe may well be proud of it. The appearance of the New Mosque is quite befitting such a Cosmopolitan city as Kobe, and it adds a new attraction to the already numerous places of interest in the city.
The new Mosque affords a place of worship for Muslim peaple not only in Kobe, but for those living in other places of Japan, making Kobe the Mecca of Japan.
I share the joy and satisfaction of the Muslims on this auspicious day and hope it will prove to be an instrument to promote friendship among the races.
I feel that I am expressing, in this message of congratulation, not only my own personal feelings but the feelings of the peaple of Kobe. As the years have gone by Japan and Muslim countries including Egypt, Turkey, Iran, Afghanistan, and also India, have felt closer and closer, and it is my earnest wish that this new place of worship will prove to be another strong link in the chain of Muslim-Japanese friendship."


 回々教寺院開院式に當り余は神戸市長として寺院建立委員に對し心からの祝詞を呈する事を欣快とするものである。同寺院は日本に於ける最初の回々教寺院であって神戸市として誇るに足るものである。この寺院の出現は神戸市の如き國際都市にとって誠に相應しいものであって已に多くの名所を有する本市に更に一つの名所を加へるものである。
 今回建立されたる寺院は神戸のみならず日本各地に在住する回々教徒に禮拝の場所を與ふるものであって神戸をして日本のメッカたらしめるものである。
 余は此佳日に際し回々教徒と喜びを共にするものであってこれが将来各民族間の親交を助長する機関たらん事を希望する次第である。余はこの祝詞を呈するに當り余自身のみならず神戸市民の感情を表現して居るものと信ずるのである。年と共に日本と回々教國との関係は密接の度を加へたのであるがこの禮拝所は日本と回々教國との親善の強力なる楔たらん事を切望する次第である。

神戸市長 勝田銀次郎



慈悲に富み恵み深い神の御名において
皆さん
 モスリム・モスク(イスラム寺院)建立の最後的報告に兼ねて一九三六年三月末日までの会計報告を致します。先ず最初に当寺院建立のそもそもの発起人であるM. A. K. ボチア氏の名を挙げねばなりません。寺院の今日あるのは実に同氏のあくまで大胆に強気にその計画を運んで行かれたことによるのであります。醸金総額約十二万円の内六万六千円はフィローズディン氏の寄付にかかるもので氏の義侠的行為がもし無かったとするならば今日我々在神イスラム教徒が文字通り神戸の一名所とも誇るべきこの美はしく堂々たる大伽藍を建設することは出来なかったでありませう。イスラム教の日本進出に対する両氏の功績に対し在神教徒は等しくあらゆる手段を尽して経緯を表したいと熱望してゐたものであります。

 モスクの礎石は一九三四年十一月三十日(金曜日)多数名士参列の上M.A.K.ボチア氏によって鎮められいよいよ竣工するや一九三五年九月二日(金曜日)日本はもとより印度、ロシヤ、ドイツ、満州、支那、トルキスタン、ジャヴァ、エジプト、アフガニスタン等関係各国から遥々来朝した多数の男女教徒を迎へフィローズディン氏の手によって献堂式を挙行しました。会長P.M.マスター氏は先づ起つて簡単に工事経過を報告し、ついでさし招かれたフィローズディン氏は寺院正門に歩みを進め短いながら力強い調子で以後六ヶ月間の寺院経費を引受けようと述べ特に用意された銀の鍵で扉を開き、美はしい日出づる国に始めて生れたイスラム寺院の開院を宣言、続いて一同は口々に「アッラーフ・アクバル」(神は偉大なるかな!)を唱えながら入場しました。かくてこの寺院最初の金曜日祈祷会の呼出しが尖塔の頂きでフィローズディン氏によって行はれ、続いて祈祷会に移りました。日本で始めて我等が信仰の殿堂を作り上げたこの日は我々教徒にとって実にめでたい日でありました。この記念すべき日以来祈祷会は規則正しく続けられましたが、当時は暑い時候であったため日本官民諸名士を招待して喜びを分つのは涼しくなってからといふことになり、いよいよ十月十一日午後約六百名の賓客を迎へてモスクを縦覧に供した後トア・ホテルで祝賀会を開きました。席上司会者となるべきフィローズディン氏がたまたま印度へ帰国中でありまたM.A.K.ボチア氏も旅行中とて御参列を見ず大変残念でしたが、その代りに当時たまたま来朝中であった弁護士ミアン・アブドウル・アジズ氏に司会をお願ひしました。なほ工事監督の任に当られたヴァリスール・モハメッド氏の労も多とせねばなりません。

 また寺院建立のため各々その分に応じて力強い強力の手を差伸べた兄弟たちにも感謝せねばなりません。神よ、願はくば彼らに恵みとよき酬いを賜はらんことを!

 また畏くも 天皇陛下の聖恩宏大にして外国人にまであまねくその領土に於て信仰の自由を賜はりましたことに対し、謹んで御礼申し上げる次第でございます。

 モスクの財政状態は幸ひにして健全、終始相償ってをります。壱万参千円を投じて家屋を購入、毎月約百円の純益を生み出して居ります。ほかに現金弐万七千円あり、これでさらに家屋を購入、毎月弐百円の収入をあげるならばモスクの維持費は十分であると考へて居おります。なほその上A.A.カリム兄弟商会から横浜において納税免除の土地八十一坪の寄付を受けました。
 我々は眼前に一つの重大問題を控へて居ります。イスラム教は日本では公認宗教でないからキリスト教その他公認宗教同様の特典を受けることが出来ません。我々は日本政府がこの宗教をよく理解するやう極力奔走する覚悟であります、然しこれはよく短時日に成し得られることではない、全日本のイスラム教徒を代表し、あくまでたゆまず力を合せあらゆる難関を乗越えて目的貫徹へ邁進する考へです。
イスラム教徒は皆何時何処でも伝道の義務がありますが、我々はここに全力を尽くしてモスクを建立これを盛立ててゐるのですから、さらに世界の兄弟たちに訴へて宗教発展のため協力を求めねばなりません。そのためには先づイスラム教を近代精神によってよく理解し、一切の費用を自分で負担することの出来る宣教師の渡来が望ましい。御希望の方は事前に我々の方へ相談が願はしいと思ひます。最後に出所の如何を問はず、宗教の発展に尽くすところか却って大変な妨げとなるやうな誤報を防ぐために、日本におけるイスラム運動の真相を伝へた正しい報告を御申越次第、随時差上げることをここに約束致します。
 なほ当モスクの経常費は寺有財産収入に依って十分支弁され、従ってモスクの名に依る寄付金募集並に献金は一切行はないことを世界の兄弟たちに宣言致します。

神戸ムスリム・モスク理事会




1935年当時の理事会メンバー